La cucina italiana
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懐かしき旧店舗

こんにちは。ソムリエ石垣です。

オピュームは創業36年。現在は37年目に突入しています。

ご存じの方も多いと思いますが、現在の店舗へ移転してきたのは2012年2月14日。それまでは、すぐそばにある『崎山ビル』という大正12年の古いビルで1984年4月12日~2011年12月まで営業をしておりました

 

大正レトロの建築物は、天井が高く、装飾された天井の梁、レトロなタイルや大理石の腰板など、すべてが贅沢に作れた建造です。

 

建物や、靭公園付近の歴史などを、ご近所のおじい様から伺うと、

もともとは、信楽焼の展示場(今でいうギャラリー)として作られ

靭公園東側にある高速道路ができる前は、川が流れていて、川の東側が材木を扱い、西側は陶器を扱う人々が集っていたそうです。

今でも、高速道路西側の通りには陶器神社が存在します。

昭和に入り、第二次世界大戦が勃発。

崎山ビルの隣接する靭公園は本土決戦に備えた日本軍の飛行場として使用、

そして終戦後は、占領軍が靭公園を含む3万坪を接収し、米軍の専用飛行場として使用されたそうです。

接収されている時代。崎山ビルはモダンな作りから、軍によって使用され、パーティーなどが行われていた。と聞いています。

その後、大阪市に変換され、今に至っています。

様々な歴史を乗り越えてきた建物は、趣があり、時間の流れすら、現実とはかけ離れたゆっくりとした時を刻みます

そして、このお話はある大学生の方に、昔、絵本にしていただきました。

ご興味がある方は、オピュームにありますのでお声かけてくださいね。

 

オピューム移転後は、ただただ、佇むビルの存在があり、どうなるんだろう。と思っておりましたが、先日取り壊しが決まったようです。

近年は、朽ち果てて行く建物を見て、少し悲しい気分になっていましたので、取り壊しは残念ですが、少しほっとしています。

 

古い物を後世に残すことは容易いことではなく、お金もかかる事なので、

『このまま残ってくれたらいいな。』という気持ちは対岸の火事。

移転するときには思い残すことはなく、その時の気持ちは、旧店舗終了後にオーナー西本さんがお客様にお伝えした文章に表れています

『多くの笑顔と、笑い声に包まれた毎日。皆さまからのエールを力に変えて、また新しい一歩を踏み出そうと思います。本当にありがとうございました。』

ただ、最後の瞬間を傍で見れてよかったと思っています。

 

オピュームの大きな窓から見える、崎山ビルの風景もあと少し。

これからは、きっと、お客様も、私達も、心に記憶し、時々思い出すのでしょうね。

97年間おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。

 

天井梁の装飾は細かく、本当におしゃれでした。

旧店舗ロフト席からの眺め。

扉を開けると飛び込んでくる風景

現在の店舗から見える風景。

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